帝都ていと)” の例文
銀座の大通おほどうりに空家あきやを見るは、帝都ていと体面たいめんに関すと被説候人有之候とかれそろひとこれありそろへども、これは今更いまさらの事にそろはず、東京とうけふひらけて銀座の大通おほどほりのごと
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
わが帝都ていとをはじめ、各地の重要地点を一挙にして空爆しようと思ってその機会を狙っていることは実に明かである。
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
御維新後四十五年、帝都ていとはなるゝ唯三里、加之しかも二十歳の若い女に、まだ斯様な葛天氏かつてんし無懐氏の民が居ると思えば、イワン王国の創立者も中々心強い訳だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ぎに持統ぢとう文武もんぶ兩帝りやうてい藤原宮ふじはらぐうみやこしたまひ、元明天皇げんめうてんのうから光仁天皇くわうにんてんのうまで七だい奈良ならみやこしたまひ、桓武天皇以來かんむてんのういらい孝明天皇かうめいてんのうまで七十一だい京都けうとみやこしたまひたるにて、漸次ぜんじ帝都ていと恒久的こうきうてきとなり
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
数で云うたらたった二十万坪の土地、喜憂きゆうくる人と戸数と、都の場末の一町内にも足らぬが、大なる人情の眼は唯統計とうけいを見るであろうか。東京は帝都ていと寸土すんど寸金すんきん、生がさかれば死は退かねばならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
博士は遂に手当の甲斐かいなく、そのまま他界した。いまわしい殺人事件が国研の中に突如として起り、しかも白昼はくちゅう、所長の芳川博士が殺害されたというのであるから、帝都ていときかえるような騒ぎだった。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
爆撃下ばくげきか帝都ていと
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)