川端かはばた)” の例文
長吉ちやうきちは観劇に対するれまでの経験で「夜」と「川端かはばた」とふ事から、きつところに違ひないとをさない好奇心から丈伸せのびをして首をのばすと、はたせるかな
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
邸の裏の川端かはばたに繁つたあしの間を通り、天滿の出入商人納屋なや小左衞門方へ忍ばせた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
おほみそかは大薩摩おほざつまの、ものすごくもまた可恐おそろしき、荒海あらうみ暗闇やみのあやかしより、山寺やまでらがく魍魎まうりやういたるまで、みぞれつてこほりつゝ、としたてくといへども、巖間いはまみづさゝやきて、川端かはばた辻占つじうら
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もう一度いちど念入ねんいりに川端かはばたあたつて、やがてたのが黒龜橋くろかめばし
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)