巌丈がんぢやう)” の例文
旧字:巖丈
「いや、どうして/\、洋琴ピアノは大好きでさ。」小説家はこれまでいろんな荒仕事をして来たらしい、巌丈がんぢやうな両肩をゆすぶりながら笑つた。
大降おほぶり小降こぶり幾度いくどあめれ、おまけに地震ぢしんにあつた、裾短すそみじか白絣しろがすりあかくなるまで、苦労くらうによれ/\のかたちで、くろ信玄袋しんげんぶくろ緊乎しつかりと、巌丈がんぢやう蝙蝠傘かうもりがさ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがて二かい寐床ねどここしらへてくれた、天井てんじやうひくいが、うつばり丸太まるた二抱ふたかゝへもあらう、むねからなゝめわたつて座敷ざしきはてひさしところでは天窓あたまつかへさうになつてる、巌丈がんぢやう屋造やづくり
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「へい。」と巌丈がんぢやう引握ひんにぎつたおほきなてのひらをもつさりとける、とひかる。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)