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崖上
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がけうえ
ふりがな文庫
“
崖上
(
がけうえ
)” の例文
また佐平に息真太郎、
女
(
むすめ
)
啓があった。然るに佐平もその子女も先ず死して、未亡人ぎんが残った。これが
崖上
(
がけうえ
)
の家の女主人であった。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
千駄木
(
せんだぎ
)
の
崖上
(
がけうえ
)
から見る
彼
(
か
)
の広漠たる市中の眺望は、今しも蒼然たる
暮靄
(
ぼあい
)
に包まれ一面に煙り渡った底から、数知れぬ
燈火
(
とうか
)
を
輝
(
かがやか
)
し
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
甲武線の
崖上
(
がけうえ
)
は
角並
(
かどなみ
)
新らしい立派な家に建て
易
(
か
)
えられていずれも現代的日本の産み出した富の威力と切り放す事のできない
門構
(
もんがまえ
)
ばかりである。
ケーベル先生
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
去年の出水には、石狩川が
崖上
(
がけうえ
)
の道路を越して鉱泉宿まで来たそうだ。
此
(
この
)
窄
(
せま
)
い山の
峡
(
かい
)
を深さ二丈も其上もある泥水が
怒号
(
どごう
)
して押下った当時の
凄
(
すさま
)
じさが思われる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それまで千住で郡医などをしていた父は年も老いたので、兄と一緒に住むためにと、父母連れ立って地所を探して歩いた時、団子坂の
崖上
(
がけうえ
)
の地所が目に止ったのです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
▼ もっと見る
おかみさんの家は、叔母の家の後ろの
崖上
(
がけうえ
)
にあった。そこからは叔母の家の中がよく見られた。そこで私はまた、叔母の家のものに見つけられるのでないかと、心配し始めた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
怒気心頭
(
どきしんとう
)
にもえた
巽小文治
(
たつみこぶんじ
)
、
朱柄
(
あかえ
)
の
槍
(
やり
)
をとって、一
閃
(
せん
)
に突きころし、いまあげた
手柄
(
てがら
)
名のりの手まえにも、
当
(
とう
)
の本人を引っとらえずになるものかと、無二無三に
崖上
(
がけうえ
)
へのぼりかえした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうち薄い
霜
(
しも
)
が
降
(
お
)
りて、裏の
芭蕉
(
ばしょう
)
を見事に
摧
(
くだ
)
いた。朝は
崖上
(
がけうえ
)
の
家主
(
やぬし
)
の庭の方で、
鵯
(
ひよどり
)
が鋭どい声を立てた。夕方には表を急ぐ豆腐屋の
喇叭
(
らっぱ
)
に交って、円明寺の木魚の音が聞えた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひた走りに町を
迂回
(
うかい
)
して
左内阪
(
さないざか
)
を昇り神社の裏門から
境内
(
けいだい
)
に
進入
(
すすみい
)
って様子を窺うと、社殿の正面なる石段の降口に沿い、眼下に市ヶ谷見附一帯の濠を見下す
崖上
(
がけうえ
)
のベンチに男と女の寄添う姿を見た。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
崖
常用漢字
中学
部首:⼭
11画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“崖”で始まる語句
崖
崖下
崖道
崖端
崖際
崖縁
崖地
崖土
崖崩
崖路