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峰々
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みね/\
支へて、
堅く
食入つて、
微かにも
動かぬので、はツと
思ふと、
谷々、
峰々、
一陣轟!と
渡る
風の
音に
吃驚して、
數千仞の
谷底へ、
眞倒に
落ちたと
思つて、
小屋の
中から
轉がり
出した。
一の
谷、
二の
谷、
三の
谷、
四の
谷かけて、
山々峰々縱横に、
荒れに
荒るゝが
手に
取るやう、
大波の
寄せては
返すに
齊しく、
此の
一夜に
北國空にあらゆる
雪を、
震ひ
落すこと、
凄まじい。