“岳(をか)” の例文
旧字:嶽
この歌(うた)は、持統天皇(じとうてんのう)のお伴(とも)をして、雷(いかづち)の岳(をか)——また、神岳(かみをか)ともいふ——へ行幸(ぎようこう)なされた時(とき)に、人麿(ひとまろ)が奉(たてまつ)つたものなのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
受取て親父樣無事でと打分れ江戸の方へぞ急ぎける斯て九郎兵衞は二人の首(くび)を切落し傍邊(かたへ)に小高き岳(をか)の有しかば小松(こまつ)の根を掘(ほり)て埋(うづ)め又死骸の傍邊へは彼盜し紙入(かみいれ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
神名火(かむなび)の磐瀬(いはせ)の杜(もり)のほととぎすならしの岳(をか)に何時(いつ)か来鳴(きな)かむ 〔巻八・一四六六〕 志貴皇子
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
卯(う)の花(はな)の咲(さ)き散(ち)る岳(をか)ゆ霍公鳥(ほととぎす)鳴(な)きてさ渡(わた)る君(きみ)は聞(き)きつや 〔巻十・一九七六〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また、「卯(う)の花の咲き散る岳(をか)ゆ」と云って印象を鮮明にしているのも、技巧がなかなか旨(うま)いのである。「岳ゆ」の「ゆ」は、「より」の意で、「鳴きてさ渡る」という運動してゆく語に続いている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)