山形やまがた)” の例文
おはなしかわって、上野山下やましたの商店街の中に山形やまがた屋という食料品店があります。そこの店員に、鳥井とりい君という、小がらの少年がいました。
鉄人Q (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もう山形やまがたまちも近くなつたころ、当時の中学校で歴史を担任してゐる教諭の撰した日本歴史が欲しくなり、しきりにそれを父にせがんだ。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
そのほかの人形は——きょう伏見ふしみ奈良なら博多はかた伊勢いせ秋田あきた山形やまがたなど、どなたも御存知のものばかりで、例の今戸焼いまどやきもたくさんあります。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
米沢よねざわを中心とした置賜おきたまの文化と、山形やまがたを中心とした村山むらやまの文化と、鶴岡つるおか酒田さかたを中心とした庄内しょうないの文化と、この三つの異る地域がそれぞれに栄えたために
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「あってもなくても幽霊係をつとめるんだ。もっとももう一人補助者として金庫番の山形やまがた君をつけてやろう」
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この夏僕のところへ、山形やまがた県から手紙が来た。手紙を出した人は、山崎操やまざきみさをと云ふ人だつた。これが今迄いままで、手紙を貰つたこともなければつたこともない人だつた。
偽者二題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おもて入口いりくちには焦茶地こげちやぢ白抜しろぬきで「せじや」と仮名かなあらは山形やまがたに口といふ字がしるしついところ主人あるじはたらきで、世辞せじあきなふのだから主人あるじ莞爾にこやかな顔、番頭ばんとうあいくるしく
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
するぜ。茶の湯生け花のけいこまでした令嬢にゃ似合わンぞ。そうだそうだそう山形やまがたに置くものだ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
柳の木のうしろにある赤い煉瓦造れんがづくりの倉に、山形やまがたの下に一を引いた屋号のような紋が付いていて、その左右に何のためともわからない、大きな折釘おれくぎに似たものが壁の中から突き出している所を
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
編隊機けだし進むは山形やまがた列並つらなむ雁の一機さきかゆく
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それは今回の事件のために命令をうけて、この研究所を監視している山形やまがた警部の私服姿しふくすがたであった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とべらの木は山形やまがた
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)