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屈指
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ゆびをり
五年目には
田地も
取返し、
畑は
以前より
殖え、
山懷の
荒地は
美事な
桑園と
變じ、
村内でも
屈指の
有富な
百姓と
成り
終せたのです。しかも
彼の
勞働辛苦は
初と
少も
變らないのです。
盡くして呉ける故
僅の
間に
曲輪の風も何時か
見習ひ
樓主の悦び大方成らず依て丁字屋の
板頭名前丁山とこそ名付たれ
抑突出しの初めより通ひ
廓の
遊客は云ふも更なり仲の町の茶屋々々迄も
譽ものとせし位なれば日成らずして其の頃
屈指の全盛と成りし事
全く
孝行の
徳にして神佛も
其赤心を