小笠原氏をがさはらし)” の例文
「一えだ」とると、小笠原氏をがさはらしかほして、こともなげにうなづくのをて、ときおとさつひゞいた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
天気模様てんきもやう如何いかゞでせうな。」「さあ——」「るのはかまひませんがね、その雷様かみなりさまは——」小笠原氏をがさはらしは、ほろなしのくるまに、よこざまに背筋せすぢぢて、まどこしけたやうなかたち
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またいつもかげかたちふやうな小笠原氏をがさはらしのゐなかつたのは、土地とち名物めいぶつとて、蕎麦切そばきり夕餉ゆふげ振舞ふるまひに、その用意ようい出向でむいたので、今頃いまごろは、して麺棒めんぼううでまくりをしてゐやうもれない。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)