密談みつだん)” の例文
あとは、駕籠と駕籠を一そう近づけて、耳打ちのように密談みつだんになったが、そのまま二人は、やがて、屈託くったくのない笑い声を残して左右に別れた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
御月番の御老中へあて急飛きふひを差立らるこゝに又天一坊の旅館りよくわんには山内伊賀亮常樂院赤川大膳藤井左京等なほ密談みつだんに及び大坂は餘程よほどとむなり此處にて用金ようきん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「いや、そんなはずはない。たしかにあやしい男と老婆ろうばとが、密談みつだんいたしていたのを、間諜かんちょうの者が見とどけたとある。この上は自身であらためてくれる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いずれ事成ったのちに相応の賞を与えようとちかったのであろうが、ふたりはなおも密談みつだん数刻ののち、とうとう議一つに決してただちに実行に着手したのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と、離室はなれのほうへあごをさして、そのなかへ密談みつだんにすがたをかくしてしまった。そして半刻はんときばかりすると、伊部熊蔵いのべくまぞう躑躅つつじさきたち外郭そとぐるわけだしてきて、ピピピピと山笛やまぶえを吹いた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
埋め何知ぬ體に居間へ立戻たちもどり居る所へ三人も歸來り首尾しゆびよく地獄谷へ突落せし體を告囁つげさゝやけば天忠は點頭うなづきて拙僧も各々の留主に斯樣々々にはからひたれば最早心懸こゝろがかりはなしさればとて大望たいまう密談みつだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むすび五人かしらを差寄て密談みつだん數刻すこくに及びける伊賀亮申すやう斯樣かやうなる大望を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)