安田やすだ)” の例文
「何、安田やすだ炭鉱たんこうへかゝってたんですがね。エ、二里ばかり、あ、あの山のかげになってます。エ、最早しちゃったんです」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
学校がっこうでは、小谷おたにも、安田やすだも、もりも、みんな時計とけいっていました。いままでっていなかった高橋たかはしも、このごろってもらったといっていました。
正二くんの時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「虎馬の方は此方こちらでもよろしゅうございますが、銀六の方は、安田やすだへ往かんと手当ができませんから、いっその事、二人を伴れて往かそうと思いますが」
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
醫者いしやれい安田やすだるので素人しろうとまかせではわがまゝばかりつのつてくあるまいとおもはれる、わし病院びやうゐんれること不承知ふしようちかと毎々まい/\かれるのであるが
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
僕等は亀沢町かめざはちやうかどで円タクをおり、元町もとまち通りを両国へ歩いて行つた。菓子屋の寿徳庵じゆとくあんは昔のやうにやはり繁昌はんじやうしてゐるらしい。しかしその向うの質屋しちやの店は安田やすだ銀行に変つてゐる。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
安田やすだのおばあさんが、とくちゃんにべさせるのだから、つかまえてくれといったのだ。」
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こりゃ僕の親友でね、安田やすだと云う貴族なんだ。もっとも貴族と云ったって、爵位なんぞがある訳じゃない。ただ僕よりゃ少し金があるだけの違いなんだ。——僕の未来の細君、おふじさん。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
安田やすださん。しばらく。」と、優しい声をかけた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
安田やすださん、御客様でございますよ。」
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)