“安田家”の読み方と例文
読み方割合
やすだけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それも火の粉を防ぐ為めに戸板をかざして立つてゐたのを旋風の為めにき上げられ、安田家やすだけの庭の池の側へ落ちてどうにか息を吹き返したのである。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
然し古美術品のことは暫らくき古書のことを考へると黒川家くろかはけの蔵書も焼け、安田家やすだけの蔵書も焼け大学の図書館としよかんの蔵書も焼けたのは取り返しのつかない損害だらう。
本所ほんじよ会館は震災ぜん安田家やすだけの跡に建つたのであらう。安田家は確か花崗石くわかうせきを使つたルネサンス式の建築だつた。僕はしひの木などの茂つた中にこの建築の立つてゐたのに明治時代そのものを感じてゐる。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)