字義じぎ)” の例文
あめが、さつと降出ふりだした、停車場ていしやばいたときで——天象せつはなくだしである。あへ字義じぎ拘泥こうでいする次第しだいではないが、あめはなみだしたやうに、夕暮ゆふぐれしろかつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
越後の紵商人をあきんどかの国々にいたりてをもとめて国にる、を此国にてもそといふは古言こげん也。あさを古言にそといひしは綜麻へそのるゐ也。あさ字義じぎはおなじくぬのおるべきれうの糸をいふ也。
たゞ彼等の好奇心かうきしんが募つたのである。それは特に二人の婦人たちのことだと私は云ふ。セント・ジョンの眼は字義じぎ通りいかにも澄明であつたが、比喩的に云へばその眞意をはかり兼ねるものであつた。
書齋しよさいがくをねだつたとき紅葉先生こうえふせんせいが、活東子くわつとうしのために(春星池しゆんせいち)とだいされたのをおぼえてる。……春星池活東しゆんせいちくわつとう活東くわつとう蝌蚪くわとにして、字義じぎ(オタマジヤクシ)ださうである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
百樹もゝき曰、牧之老人が此草稿したがき無縫塔むほうたふほう字義じぎつうじがたく誤字ごじにやとて郵示ひきやくたよりしてひければ、無縫塔むほうたふ書伝かきつたへたるよしいひこしぬ。雲根志うんこんしには無帽塔むはうたふとあり、無帽むはうも又つうじがたし。
百樹もゝき曰、牧之老人が此草稿したがき無縫塔むほうたふほう字義じぎつうじがたく誤字ごじにやとて郵示ひきやくたよりしてひければ、無縫塔むほうたふ書伝かきつたへたるよしいひこしぬ。雲根志うんこんしには無帽塔むはうたふとあり、無帽むはうも又つうじがたし。