-
トップ
>
-
子樣
>
-
こさま
何時かは
言はふと
存じたれど、お
前さまといふ
御人には
呆れまする、
是れが
五つや
十の
子供ではなし、十六といへばお
子樣もつ
人もありますぞや、まあ
考へて
御覽なされお
母樣がお
病沒から
此かた
年を
言はゞ二十六、
遲れ
咲の
花も
梢にしぼむ
頃なれど、
扮裝のよきと
天然の
美くしきと二つ
合せて五つほどは
若う
見られぬる
徳の
性、お
子樣なき
故と
髮結の
留は
言ひしが、あらばいさゝか
沈着くべし