嬢様じょうさま)” の例文
旧字:孃樣
嬢様じょうさま、おまえさんはおちいさい時分でありましたから、顔も忘れてしまいましたが、今年で丁度十四年あとわっちが前橋にくすぶっていた時
「かの子さんはお嬢様じょうさま育ちだから一平いっぺいさんが世話をしないと他所よそへ出られないからいつでもついて行ってもらって居る。」
根ッから早やきつねでなければ乗せ得そうにもないやつじゃが、そこはおらが口じゃ、うまく仲人なこうどして、二月ふたつき三月みつきはお嬢様じょうさまがご不自由のねえように、翌日あすはものにしてうんとここへかつぎ込みます。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にあるような綺麗きれいな、お嬢様じょうさまなにやかやと御馳走ごちそう頂戴ちょうだいした挙句あげく、お化粧直けしょうなおしのまくすみで、あたしはおまえに、おまえはあたしに、たがいにお化粧けしょうをしあって、この子達こたち、もうねんったなら
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
またたまにはその娘にった時、太郎坊があなたにお眼にかかりたいと申しておりました、などと云ってたわむれたり、あの次郎坊が小生わたくしに対って、早く元のご主人様のお嬢様じょうさまにお逢い申したいのですが
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
少しのことをかどに取って粂どんが嬢様じょうさまを殺したなんてえが、何処どこまでも汝がそんな事を頑張って殺したといわば、おら合点がってんしねえだ、粂どんが庭へ来てお嬢様と相談して
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お嬢様じょうさま。おをおしずあそばしまして。……」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「もし、お嬢様じょうさま。おあぶのうござります」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)