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婆々
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ばばあ
ふりがな文庫
“
婆々
(
ばばあ
)” の例文
……皿小鉢を洗うだけでも、いい加減な
水行
(
みずぎょう
)
の処へ持って来て、亭主の
肌襦袢
(
はだじゅばん
)
から、
安達
(
あだち
)
ヶ原で血を
舐
(
な
)
めた
婆々
(
ばばあ
)
の
鼻拭
(
はなふき
)
の洗濯までさせられる。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「旧弊はとくに卒業して迷信
婆々
(
ばばあ
)
さ。何でも月に二三
返
(
べん
)
は
伝通院
(
でんずういん
)
辺の何とか云う坊主の所へ相談に行く様子だ」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
婆々
(
ばばあ
)
はゐてサ、
燠
(
おき
)
の前でヨ
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
思わず、心が、
先刻
(
さっき
)
の暗がり坂の中途へ行って、そのおかしな
婆々
(
ばばあ
)
が、荒縄でぶら提げていた、腐った烏の事を思ったんだ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「雇ったのは引き越す時だが約束は前からして置いたのだからね。実はあの
婆々
(
ばばあ
)
も四谷の
宇野
(
うの
)
の世話で、これなら大丈夫だ
独
(
ひと
)
りで留守をさせても心配はないと母が云うからきめた訳さ」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
先刻
(
さっき
)
入ったという怪しい
婆々
(
ばばあ
)
が、今現に二階に居て、
傍
(
はた
)
でもその姿を見たものがあるとすれば……似たようなものの事を私が話したんだから。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
心配するから迷信
婆々
(
ばばあ
)
さ、あなたが御移りにならんと御嬢様の御病気がはやく御全快になりませんから是非この月
中
(
じゅう
)
に方角のいい所へ御転宅遊ばせと云う訳さ。飛んだ
預言者
(
よげんしゃ
)
に
捕
(
つら
)
まって、大迷惑だ
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
乞食より
汚穢
(
きたな
)
い
婆々
(
ばばあ
)
です、さうして
塩茄子
(
しおなすび
)
のように
干乾
(
ひから
)
びておりますよ。おお、胸の悪い、私が今参りました時は死骸の懐中を
検
(
しら
)
べておりました。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうすると、趣向をしたのはこの人では無いらしい、
企謀
(
もくろ
)
んだものなら一番懸けに、
婆々
(
ばばあ
)
を見着けそうなものだから。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婆々
(
ばばあ
)
じみるッて芳さんはお笑いだが、芳さんなぞはその
思遣
(
おもいやり
)
があるまいけれど、
可愛
(
かわゆ
)
い児でも亡くして御覧、そりゃおのずと
後生
(
ごしょう
)
のことも思われるよ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「へい。ところでその、黒瀬という
婆々
(
ばばあ
)
はもう
死歿
(
なくなり
)
ました。」「えほんとうに?」「まったくでございます。」「そんなら用は無い、もう
帰邸
(
かえる
)
としようの。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と平べったい、が切口上で、障子を半分開けたのを、
孤家
(
ひとつや
)
の
婆々
(
ばばあ
)
かと思うと、たぼの張った、脊の低い、
年紀
(
とし
)
には似ないで、
頸
(
くび
)
を塗った、浴衣の模様も大年増。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
貴下
(
あなた
)
はお邸の方かな。松の木に
縊死
(
くびくくり
)
があるで。」と巡査に
謂
(
い
)
われてまた驚き、
婆々
(
ばばあ
)
の死骸を見て三度
吃驚
(
びっくり
)
「やれ首を
縊
(
くく
)
った、松の木が。」と
慌
(
あわただ
)
しく触込んだり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
われらこの
烈
(
はげ
)
しき大都会の色彩を
視
(
なが
)
むるもの、奥州辺の物語を読み、その地の婦人を想像するに、大方は
安達
(
あだち
)
ヶ原の
婆々
(
ばばあ
)
を想い、もっぺ
穿
(
は
)
きたる
姉
(
あねえ
)
をおもい、紺の
褌
(
ふんどし
)
の
媽々
(
かかあ
)
をおもう。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな
婆々
(
ばばあ
)
が、こんな顔で、こんな怨みっぽい事を言うたとて、何んとも思いはしなさるまいが、何じゃよ、雪が逢うてもこう言います。いま
私
(
わし
)
の言うたような事を言いますわいの。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婆
常用漢字
中学
部首:⼥
11画
々
3画
“婆々”で始まる語句
婆々縷
婆々様
婆々連