ねたま)” の例文
光子みつこは葉子が先生と一緒に学校へ来るのがねたましくてならなかった。その週間も過ぎて、つぎの地理の時間が来た。
先生の顔 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
それがどうも盗人の言葉に、聞き入っているように見えるではないか? おれはねたましさに身悶みもだえをした。が、盗人はそれからそれへと、巧妙に話を進めている。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ほゝかみ其処そこにはむかしこひゆめのこつてゐるやうである。わたしは一しゆ美感びかんゑはされると同時どうじに、はげしいねたましさにむねむしられてゐる。可愛かあゆくもあるがにくくもおもつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
それがどうも盜人ぬすびと言葉ことばに、つてゐるやうにえるではないか? おれはねたましさに身悶みもだえをした。が、盜人ぬすびとはそれからそれへと、巧妙かうめうはなしすすめてゐる。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
俊助は暖炉の上の鏡を背負って、印度更紗インドさらさの帯をしめた初子と大きな体を制服に包んだ野村とが、向い合って立っているのを眺めた時、刹那せつなあいだ彼等の幸福がねたましいような心もちさえした。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)