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奇禍
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きか
ふりがな文庫
“
奇禍
(
きか
)” の例文
次郎と月江とは、道々もうわさをして来たそのおりんが、生埋めという、
稀有
(
けう
)
な
奇禍
(
きか
)
に会ったと聞いても、にわかに信じかねました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういう風説のある中に余りこの国について日本に紹介しようとして調べた事がかえって
奇禍
(
きか
)
を買うような事になっては
詰
(
つま
)
らぬ。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
それを一種の不運とか
奇禍
(
きか
)
とか言ってしまえばそれ迄であるが、マラリアに罹かったとか、蕃人に狙撃されたとか、水牛に襲われたとかいうのではなくして
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それから少佐の
奇禍
(
きか
)
に通りあわせて、ほんのすこしのきてんをきかせて助けたことを、恩にきていてくれる少佐。そしてこんなりっぱな一坪館を建ててくれた少佐。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
貴君方
(
あなたがた
)
に取って遊戯であることが、我々に取っては死である、と。青木君の
死際
(
しにぎわ
)
の云分も、つまりそれなのです。貴女は、青木君の死を単なる
奇禍
(
きか
)
だと思ってはいけません。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
すなわち東洋諸国
専制流
(
せんせいりゅう
)
の
慣手段
(
かんしゅだん
)
にして、勝氏のごときも
斯
(
かか
)
る専制治風の時代に
在
(
あ
)
らば、或は同様の
奇禍
(
きか
)
に
罹
(
かか
)
りて新政府の諸臣を
警
(
いま
)
しむるの
具
(
ぐ
)
に供せられたることもあらんなれども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
釣竿、
奇禍
(
きか
)
を買はんとす
東京市騒擾中の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
幸いにこういう
奇禍
(
きか
)
を免れる事の出来たのもこれまたチベットへ入って奇禍を免れ安全に故郷へ帰って来られるという
前兆
(
ぜんちょう
)
になったかも知れない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
いわば信長の
奇禍
(
きか
)
は、
惹
(
ひ
)
いて直ちに、家康のこの災難ともなって来たわけであるが、彼やまさに、四十になったばかりの男ざかりである。うろたえはしていない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お兄さんの死は、形は
奇禍
(
きか
)
のようですが、心持は自殺です。私は、そう断言したいのです。お兄さんは、死場所を求めて、三保から
豆相
(
ずそう
)
の間を
彷徨
(
さまよ
)
っていたのです。奇禍が偶然にお兄さんの自殺を
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それにこういう西洋物を持って居ては人から疑いを受けて
奇禍
(
きか
)
を買うようになるから仏陀がわざとこういう物を失わせるようにされたかも知れない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
いやその花栄も
燈籠
(
とうろう
)
まつりで他家の宴に招待され、明け方帰って、初めて宋江の
奇禍
(
きか
)
を知ったのである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「重傷だね。助からないかも知れないよ。まあ
奇禍
(
きか
)
と云うんだね。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そしてわれ知らず老いたる父と女の
婚期
(
こんき
)
が過ぎかけてゆくのも思わずに暮していたが、はからずも去年、その人の
奇禍
(
きか
)
を知ると、居ても立ってもいられなくなった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝
(
てい
)
劉禅
(
りゅうぜん
)
の
闇弱
(
あんじゃく
)
、楊儀の失敗、
董允
(
とういん
)
、
蒋琬
(
しょうえん
)
の死去、
費褘
(
ひい
)
の
奇禍
(
きか
)
、等々、国家の不幸はかさなっていた。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
察していた通り、この者たちはすでに伊丹城中における官兵衛の
奇禍
(
きか
)
も、また信長から出ている松千代の処分にたいする厳命も——世上の風聞によって
疾
(
と
)
く知っていたのである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういわれてから官兵衛は初めて信長のすがたを
脳裡
(
のうり
)
に描いた。彼は、信長が今日まで、自分をどう考えていたか、また自分のうけた
奇禍
(
きか
)
をどう観ていたかを、よく知っていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宋江はしいて彼を対等な一
椅子
(
いす
)
につかせ、そして、
鄆城県
(
うんじょうけん
)
出奔の事情から、つい先ごろ、花栄の家に身を寄せているうちの
奇禍
(
きか
)
と、
劉
(
りゅう
)
夫妻の奸計におちたことなどを、
逐一
(
ちくいち
)
諄々
(
じゅんじゅん
)
とはなしてゆき
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ついに大変な
奇禍
(
きか
)
に会ってしまった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“奇禍”の意味
《名詞》
不意におこる災難。
(出典:Wiktionary)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
禍
常用漢字
中学
部首:⽰
13画
“奇”で始まる語句
奇
奇麗
奇蹟
奇怪
奇妙
奇異
奇特
奇矯
奇瑞
奇態