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大胡坐
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おほあぐら
ふりがな文庫
“
大胡坐
(
おほあぐら
)” の例文
お町は一寸も引きさうにありません、——それどころか、長火鉢の向うへ、女だてらに
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかくと、お樂の手から
猪口
(
ちよく
)
をむしり取ります。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
日
(
ひ
)
、はじめて
店
(
みせ
)
をあけた
通
(
とほ
)
りの
地久庵
(
ちきうあん
)
の
蒸籠
(
せいろう
)
をつる/\と
平
(
たひら
)
げて、「やつと
蕎麥
(
そば
)
にありついた。」と、うまさうに、
大胡坐
(
おほあぐら
)
を
掻
(
か
)
いて、また
飮
(
の
)
んだ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
源太は
笑
(
ゑみ
)
を含みながら、さあ十兵衞此所へ来て呉れ、関ふことは無い
大胡坐
(
おほあぐら
)
で楽に居て呉れ、とおづ/\し居るを無理に坐に
居
(
す
)
ゑ、
頓
(
やが
)
て膳部も
具備
(
そなは
)
りし後
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
店には誰れもゐないで、大きな眞鍮の火鉢が、人々の手摺れで磨きあげられたやうに、
縁
(
ふち
)
のところをピカ/\光らして、人間ならば
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかいたといふ風に、ドツシリと疊を凹ましてゐる。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
八五郎は相變らずのお先煙草、大して極りも惡がらずに、縁側の上に
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかいて、平次の作業を眺めて居るのでした。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
漆
(
うるし
)
の
中
(
なか
)
に
眼
(
まなこ
)
の
輝
(
かゞや
)
く、
顏面
(
がんめん
)
凡
(
すべ
)
て
髯
(
ひげ
)
なるが、
兩腿
(
りやうもゝ
)
出
(
だ
)
した
毛
(
け
)
むくぢやら、
蝟
(
はりせんぼん
)
の
大胡坐
(
おほあぐら
)
で、
蒋生
(
しやうせい
)
をくわつと
睨
(
にら
)
む、と
黒髯
(
くろひげ
)
赤
(
あか
)
く
炎
(
ほのほ
)
に
照
(
て
)
らして、「
何奴
(
どいつ
)
だ。」と
怒鳴
(
どな
)
るのが、ぐわんと
響
(
ひゞ
)
いた。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
錢形の平次は、椽側の
日向
(
ひなた
)
に座布團を持出して、その上に
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかくと、女房のお靜は後ろに廻つて、
片襷
(
かただすき
)
をしたまゝ、
月代
(
さかやき
)
を
剃
(
そ
)
つて居りました。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
よく肥つて、脂ぎつて、鼻が
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかいてゐる五十二三の眞つ黒な男ですが、調子が
卑下慢
(
ひげまん
)
で、妙に拔け目がなささうで、申分なく用人摺れがして居さうです。
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
入口の二疊に
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかくと、肌おしひろげて、一刀をわれとわが腹に突つ立てゝ居たのでした。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「自害をしたもの——ことに喉笛を切つたものは、後ろへ反るものですが、これは女だてらに
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかいた形になつて、
俯向
(
うつむけ
)
になつてますね——
納
(
をさめ
)
さんはそんなたしなみの惡い人ぢやなかつた筈で」
銭形平次捕物控:308 秋祭りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鐵は土間に
大胡坐
(
おほあぐら
)
をかいて、精一杯の
啖呵
(
たんか
)
を切るのです。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
胡
漢検準1級
部首:⾁
9画
坐
漢検準1級
部首:⼟
7画
“大胡”で始まる語句
大胡
大胡座