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大入
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おおいり
ふりがな文庫
“
大入
(
おおいり
)” の例文
一方では真実の役者がそれぞれ立派に三座に
拠
(
よ
)
っていたが、西両国という眼抜きの地に村右衛門が
立籠
(
たてこも
)
ったので
素破
(
すば
)
らしい
大入
(
おおいり
)
です。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
又
金子
(
かね
)
を沢山
懐中
(
ふところ
)
に入れて芝居を観ようと思って行っても、爪も立たないほどの
大入
(
おおいり
)
で、
這入
(
はい
)
り
所
(
どころ
)
がなければ観る事は出来ませぬ。
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
天水桶はこのくらいにして、白い湯の方を見るとこれはまた非常な
大入
(
おおいり
)
で、湯の中に人が
這入
(
はい
)
ってると云わんより人の中に湯が這入ってると云う方が適当である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
が国王よりも権力があって、芝居が初まると国民が一人残らず見物しなけやならん憲法があるのだから、それはそれは非常な
大入
(
おおいり
)
だよ、そんな
大仕掛
(
おおじかけ
)
な芝居だから
火星の芝居
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
「役者があなた、この
大入
(
おおいり
)
に、花道で、名前の広告をするんだもの。大したものでなくってさ。」
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
守田座移転は明治四年だというが、新富町新富座という、堂々たるものになったのは、九年
霜月末
(
しもつきすえ
)
に焼けてから再築し、十一年春に、西南戦争を上演して
大入
(
おおいり
)
をとってからだ。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「どうも済みません。今夜は御覧のとおりの
大入
(
おおいり
)
で、うまく廻らないんですよ。まあどうでしょう。こんなに忙しいことは、このゴールデン・バットが出来て初めてのことなのよ」
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今じゃ
大入
(
おおいり
)
大繁昌だよ。ナント
吃驚
(
びっくり
)
タマゲタ
市
(
シチー
)
に。善美つくした病院構えて。中に並ぶが現代文化の。
粋
(
すい
)
を揃えた拷問道具に。息も洩らさぬ殺人設備じゃ。一眼見たらば真夏の土用も。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いわゆる
立錐
(
りっすい
)
の余地もない
大入
(
おおいり
)
であったので、わたしもそれにびっくりした。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「御叔母さん、雨の降るのに
大入
(
おおいり
)
ですよ。——小夜子さん、これが僕の妹です」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五日目の
大入
(
おおいり
)
を
刎
(
は
)
ねたあとを、
涼
(
すず
)
みながら船を
八葉潟
(
やつばがた
)
へ浮べようとして出て来たのだが、しこみものの
鮨
(
すし
)
、
煮染
(
にしめ
)
、
罎
(
びん
)
づめの酒で月を見るより、
心太
(
ところてん
)
か安いアイスクリイムで、
蚊帳
(
かや
)
で寝た方がいゝ
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
御馴染甲斐
(
おなじみがい
)
に
打寄
(
うちよす
)
る
冠詞
(
まくらことば
)
の
前席
(
ぜんせき
)
から。ギッシリ詰る
大入
(
おおいり
)
は、誠に
僥倖当
(
まぐれあた
)
り
炭
(
ずみ
)
。俵の縁語に評さえ
宜
(
よき
)
を。例の若林先生が。火鉢にあらぬ
得意
(
おはこ
)
の速記に。
演舌
(
しゃべ
)
るが儘を書取られしが。写るに速きは
消炭
(
けしずみ
)
も。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“大入”で始まる語句
大入道
大入場
大入島
大入杵
大入叶
大入満員