うっ)” の例文
旧字:
その羽織をうって一両三分の金を持て、私は鉄砲洲てっぽうずの中屋敷にかえったことがあると云うような次第で、全体藩の一般の習慣にすれば
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この有様でもお秀は妾になったのだろうか、女の節操みさおうってまで金銭がほしい者が如何して如此こん貧乏まずしい有様だろうか。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
握飯にぎりめしほどな珊瑚珠さんごじゅ鉄火箸かなひばしほどな黄金脚きんあしすげてさゝしてやりたいものを神通じんつうなき身の是非もなし、家財うっ退けて懐中にはまだ三百両あれどこれ我身わがみたつもと
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おれにその小鳥をうってくれないか。」
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
内から呉れた金が一もあったか、そのほか和蘭オランダの字引の訳鍵やくけんと云う本をうって、掻集かきあつめた所で二しゅか三朱しかない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
つまらぬ話だ、しなさい。僕は家にある刀剣はみんなうっ仕舞しまって、今して居るこの大小二本きりしかない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)