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坤
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ひつじさる
ふりがな文庫
“
坤
(
ひつじさる
)” の例文
日は此屋敷からは、稍
坤
(
ひつじさる
)
によつた山の端に沈むのである。西空の棚雲の紫に輝く上で、落日は俄かに
転
(
くるめ
)
き出した。その速さ。雲は炎になつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
美吉屋
(
みよしや
)
の家には、
坤
(
ひつじさる
)
の
隅
(
すみ
)
に
離座敷
(
はなれざしき
)
がある。
周囲
(
まはり
)
は
小庭
(
こには
)
になつてゐて、
母屋
(
おもや
)
との間には、小さい戸口の附いた
板塀
(
いたべい
)
がある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さて堂の
坤
(
ひつじさる
)
の桂木にのぼりて、我不愛身命但惜無上道と誦して、谷へ身を投げければ、護法袖を広げて受取りて、露塵異かりけりと、此事一定を知らず。
憑き物系統に関する民族的研究:その一例として飛騨の牛蒡種
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
ええと夫れから九八の間取、九は艮で金気を含み、八は
坤
(
ひつじさる
)
で土性とあるから、和合の相を現している。主屋と離なれ別棟があり、白虎造りを為している。
天主閣の音
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いま通り過ぎて来た
音羽
(
おとわ
)
の護国寺から
坤
(
ひつじさる
)
の方角に当たる
清土
(
きよづち
)
という場処で、そこへ行くと、今でも草むらの中に小さな
祠
(
ほこら
)
があって、はじめはここに
祀
(
まつ
)
ってあった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
「あの声がほととぎすか」と羽団扇を
棄
(
す
)
ててこれも
椽側
(
えんがわ
)
へ
這
(
は
)
い出す。見上げる
軒端
(
のきば
)
を斜めに黒い雨が顔にあたる。脚気を気にする男は、指を立てて
坤
(
ひつじさる
)
の
方
(
かた
)
をさして「あちらだ」と云う。
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日は、此屋敷からは、
稍
(
やや
)
坤
(
ひつじさる
)
によった遠い山の端に沈むのである。西空の棚雲の紫に輝く上で、落日は
俄
(
にわ
)
かに
転
(
くるめ
)
き出した。その速さ。雲は炎になった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
坤
(
ひつじさる
)
に
開
(
ひら
)
いてゐる城の
大手
(
おほて
)
は土井の
持口
(
もちくち
)
である。
詰所
(
つめしよ
)
は門内の北にある。門前には
柵
(
さく
)
を
結
(
ゆ
)
ひ、
竹束
(
たけたば
)
を立て、土俵を築き上げて、
大筒
(
おほづゝ
)
二門を
据
(
す
)
ゑ、別に
予備筒
(
よびづゝ
)
二門が置いてある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
即ち東南には運気を起し、西北には黄金の
礎
(
いしずえ
)
を据える。……真南に流水真西に砂道。……高名栄誉に達するの姿だ。……
坤
(
ひつじさる
)
巽
(
たつみ
)
に竹林家を守り、
乾
(
いぬい
)
艮
(
うしとら
)
に岡山屋敷に備う。これ陰陽和合の証だ。
鵞湖仙人
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“坤”の意味
《名詞》
(ひつじさる)西南の方角。未(ひつじ)と申(さる)の間であることから。
(出典:Wiktionary)
“坤”の解説
坤(こん)は八卦の一つ。卦の形はであり、三爻すべてが陰で構成される。または六十四卦の一つであり、坤為地。坤下坤上で構成される。
(出典:Wikipedia)
坤
漢検準1級
部首:⼟
8画
“坤”を含む語句
乾坤
坤軸
乾坤通宝
乾坤一擲
別乾坤
坤方
乾坤堂
坤為
西島坤斎
坤竜
坤竜丸
坤輿図識
坤道
売卜乾坤堂
大乾坤
天地乾坤
森信坤者
莫士科坤輿誌
坤河
坤度
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