“持口”の読み方と例文
読み方割合
もちくち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
定番、大番、加番の集まつた所で、土井はしやう九つどきに城内を巡見するから、それまでにかく持口もちくちを固めるやうにと言ひ付けた。それから士分のものは鎧櫃よろひゞつかつぎ出す。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ひつじさるひらいてゐる城の大手おほては土井の持口もちくちである。詰所つめしよは門内の北にある。門前にはさくひ、竹束たけたばを立て、土俵を築き上げて、大筒おほづゝ二門をゑ、別に予備筒よびづゝ二門が置いてある。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
坂本は庭に出て、今工事を片付けて持口もちくちに附いた同心共を見張つてゐた。そこへ跡部あとべは、相役あひやく堀を城代土井大炊頭利位どゐおほひのかみとしつらの所へ報告につて置いて、書院から降りて来た。そして天満てんまの火事を見てゐた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)