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持口
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もちくち
定番、大番、加番の集まつた所で、土井は
正九つ
時に城内を巡見するから、それまでに
各持口を固めるやうにと言ひ付けた。それから士分のものは
鎧櫃を
担ぎ出す。
坤に
開いてゐる城の
大手は土井の
持口である。
詰所は門内の北にある。門前には
柵を
結ひ、
竹束を立て、土俵を築き上げて、
大筒二門を
据ゑ、別に
予備筒二門が置いてある。
坂本は庭に出て、今工事を片付けて
持口に附いた同心共を見張つてゐた。そこへ
跡部は、
相役堀を城代
土井大炊頭利位の所へ報告に
遣つて置いて、書院から降りて来た。そして
天満の火事を見てゐた。