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哥太寛
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こたいくわん
でね、
此を
聞くと、
人の
好い、
氣の
優しい、
哥太寛の
御新姐が、おゝ、と
云つて、
袖を
開く……
主人もはた、と
手を
拍つて
「
哥太寛も
餞別しました、
金銀づくりの
脇差を、
片手に、」と、
肱を
張つたが、
撓々と
成つて、
紫の
切も
亂るゝまゝに、
弛き
博多の
伊達卷へ。
先刻より
御覽に
入れた、
此なる
劍、と
哥太寛の
云つたのが、——
卓子の
上に
置いた、
蝋塗、
鮫鞘卷、
縁頭、
目貫も
揃つて、
金銀造りの
脇差なんです——
此の
日本の
劍と
一所に