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呑噬
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どんぜい
ふりがな文庫
“
呑噬
(
どんぜい
)” の例文
裏切ったり
倦
(
う
)
み疲れたりしたことだろう! 彼らは皆、当時のあらゆる党派の為政家らを
呑噬
(
どんぜい
)
してる災厄の犠牲となっていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
なんとなれば万邦・万人、みな
涎
(
よだれ
)
を流し、
牙
(
きば
)
を磨し、みなその
呑噬
(
どんぜい
)
の機会をまつをもって少しく我に乗ずべき隙あらばたちまちその国体を
亡
(
うしな
)
うに至らん。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
その言葉の意味は明らかに、殺し
屠
(
ほふ
)
りはぎ取るというのをいっしょにしたものであることは、説明するまでもない。食うの真の意味は
呑噬
(
どんぜい
)
するというのである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
拝火教徒が火中に迎えたものは、「すべてを
呑噬
(
どんぜい
)
するもの」の影であった。今日でも、神道の日本人がその前にひれ伏すところのものは、
剣魂
(
つるぎだましい
)
の氷のような純潔である。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
今日ではもっぱら知力を用いて相互に
呑噬
(
どんぜい
)
を
逞
(
たくまし
)
うするよりほかなき境遇にいたったのである。
脳髄の進化
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
▼ もっと見る
さるを却りて世の人を驅りて、おそろしき
呑噬
(
どんぜい
)
爭奪の境界に墮ちしめんとする如くなるは、好しとはおもはれず。そは兎まれ角まれ、おん身はいかにして即興の詩を歌ひ給ふか。われ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
斯くして國際的の
呑噬
(
どんぜい
)
行動を絶滅し、互いに相融和するに至らば、ユートピアならざるも、これに近き安樂國を出現するは疑いを容れず、巨大なる威力を獲得して、これを恐れるよりも
ノーベル小伝とノーベル賞
(旧字旧仮名)
/
長岡半太郎
(著)
吾人は今日に於て人心の哲学的に傾くを怪しまざる也、唯其久しく之れ飢渇せしが為めに善き物と
悪
(
あ
)
しき物とを撰ばずして之を
呑噬
(
どんぜい
)
し
終
(
つひ
)
に不消化不健康なる思想を蔓延せしめんことを憂ふ。
凡神的唯心的傾向に就て
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
私がいかに自分の自我をうるさがってるかをあなたが知ってくだすったら! 私の自我は圧制的で
呑噬
(
どんぜい
)
的なのです。それは神が私の首に結びつけた
鉄枷
(
てつかせ
)
です。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ローマの下水道は世界をのみ込んだのである。その
呑噬
(
どんぜい
)
の口を、市と世界とに差し出したのである。全く市と世界とに(訳者注 ローマ法王の祝祷中にある言葉)である。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
呑噬
(
どんぜい
)
の
獅子
(
しし
)
である。ひしひしと寄せてくる虚無を打倒している。そして戦いの
律動
(
リズム
)
こそ最上の
諧調
(
かいちょう
)
である。この諧調は命数に限りある汝の耳には聞き取れない。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
いかなる大森林といえども、人を隠すことその大群集に及ぶものはない。各種の逃亡人はそのことを知っている。彼らはあたかも
呑噬
(
どんぜい
)
の
淵
(
ふち
)
に身を投ずるがごとくにパリーへ行く。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし彼の意志はなお
闘
(
たたか
)
いつづけ、悪魔にたいする戦いの、進軍ラッパを吹奏していた……。「世に悪魔満ち渡り、われわれを
呑噬
(
どんぜい
)
せんとするとも、あに恐るることがあろうぞ……。」
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そして今や彼は、
呑噬
(
どんぜい
)
の痛ましい深淵のうちに永久にころがり込む。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ゆえに彼は同国人らと同じように、ヨーロッパの精神的貴族社会を
呑噬
(
どんぜい
)
しつつある腐食のうちに、フランスの芸術に固有な悪徳を、ラテン諸民族の欠点を、見て取らずにはいられなかった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
かくて子供は音響の森の中を
逍遙
(
しょうよう
)
する。自分のまわりに無数の知らない力を感ずる。それらの力は彼を待受け、彼を呼びかけ、そして彼を
愛撫
(
あいぶ
)
せんとし、あるいは彼を
呑噬
(
どんぜい
)
せんとする……。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかし
鍛冶
(
かじ
)
の熱が魂を満たさなくなるときには、無防禦な魂は、なくて済ませないそれらの情熱に委ねられる。魂は情熱を欲し情熱を
創
(
つく
)
りだす。情熱のために全身を
呑噬
(
どんぜい
)
されなければやまない。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
一民衆をことごとく
呑噬
(
どんぜい
)
している……。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“呑噬”の意味
《名詞》
呑むことと噛むこと。
他国を攻め、領土を奪い取ること。
(出典:Wiktionary)
呑
漢検準1級
部首:⼝
7画
噬
漢検1級
部首:⼝
16画
“呑”で始まる語句
呑
呑気
呑込
呑氣
呑舟
呑吐
呑気者
呑口
呑乾
呑気屋