可有之これあるべく)” の例文
いろいろ言いたきまま取り集めて申上もうしあげ候。なお他日つまびらかに申上ぐる機会も可有之これあるべく候。以上。月日。〔『日本』明治三十一年三月四日〕
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
村々の庄屋、乙名おとな、早々御越あるべく候。島中此状御廻し可有之これあるべく候。ゼンチヨ方にても切支丹になり候者、御免なさるべく候。恐惶謹言。
若し此事真実に候はゞ、辞安仮令たとひ学問にけ候とも、其心術は憎むべききはみ可有之これあるべく候。何卒詳細御調査之上、直筆無諱いむことなく御発表相成度奉存候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
先刻大津の銚子屋にて御面談の儀に付御書状の趣き逐一承知つかまつり候御申越の時刻無相違そういなく御出合申可おであいもうすべく貴殿にも御覚悟にて御出張可有之これあるべく此段及御答こたえにおよび候也
此者儀主人庄三郎妻つね何程申付候うとも、主人のことに候えば致方いたしかた可有之これあるべくの処、又四郎に疵付候段不届至極に付、死罪に申付。但し引廻しに及ばず候。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あるいは姑息こそくにも馬、梅、蝶、菊、文等の語はいと古き代より用いきたりたれば日本語と見做みなすべしなどいう人も可有之これあるべく候えど
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
それがし今年今月今日切腹して相果あいはてそろ事いかにも唐突とうとついたりにて、弥五右衛門老耄ろうもうしたるか、乱心したるかと申候者も可有之これあるべくそうらえども、決して左様の事には無之これなくそろ
以手紙申上てがみをもってもうしあげしかれば先刻大津銚子屋に於て御面会の折柄おりから何等の遺恨候てか満座の中にて存外の御過言ごかごん其の儘には捨置難く依之これによって明晩いぬ中刻ちゅうこく小原山に於て再応さいおう承わりたく候間く/\御覚悟候て右時刻無遅滞ちたいなく御出おい有之度これありたく此段申進もうししんじ候御返答可有之これあるべく候也
盆栽の並べかたについては必ず三鉢を三段に配置しあり候処、定めて天地人とでも申す位置の取りかたに可有之これあるべく、作法もむづかしきことと存候。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
当庵は斯様かように見苦しく候えば、年末に相迫り相果て候を見られ候方々かたがた、借財等のため自殺候様御推量なされ候事も可有之これあるべくそうらえども、借財等は一切無き某、厘毛たりとも他人に迷惑相掛け申さず
眞淵は力を極めて實朝をほめた人なれども眞淵のほめ方はまだ足らぬやうに存候。眞淵は實朝の歌の妙味の半面を知りて他の半面を知らざりし故に可有之これあるべく候。
歌よみに与ふる書 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
真淵まぶちは力を極めて実朝をほめた人なれども真淵のほめ方はまだ足らぬようにぞんじ候。真淵は実朝の歌の妙味の半面を知りて他の半面を知らざりしゆえに可有之これあるべく候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
真淵まぶちは力を極めて実朝をほめた人なれども、真淵のほめ方はまだ足らぬやうに存候。真淵は実朝の歌の妙味の半面を知りて、他の半面を知らざりし故に可有之これあるべく候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
今日は歌よみなる者皆無の時なれど、それでも御歌所連より上手なる歌よみならば民間に可有之これあるべく候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
あるいは姑息こそくにも馬、梅、蝶、菊、文等の語はいと古き代より用ゐ来りたれば、日本語と見すべしなどいふ人も可有之これあるべく候へど、いと古き代の人は、その頃新しく輸入したる語を用ゐたる者にて
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)