-
トップ
>
-
只
>
-
たヾ
只一人ありし
妹の
我れと
非常に
中よかりしが、
今は
亡せて
何もなき
身、その
妹が
姉樣に
正寫にて、
今も
在世ばと
戀しさ
堪へがたく、お
前樣に
姉樣なれば
我れには
妹の
樣に
思はれて
只一寸で
宜し
吾助は
一筆にてもと
言ひたれば、
此卷紙へ
何か
書て
僕に
賜はれ、
吾助は
田舍へ
歸りても
行く
處の
無き
身なれば、
大方は
乞食に
成るべきにや、
夫れでは
僕どうしても
嫌やなり