“只(たヾ)” の例文
只(たヾ)一人(ひとり)ありし妹(いもと)の我(わ)れと非常(ひじやう)に中(なか)よかりしが、今(いま)は亡(う)せて何(なに)もなき身(み)、その妹(いもと)が姉樣(ねえさま)に正寫(そつくり)にて、今(いま)も在世(あら)ばと戀(こひ)しさ堪(た)へがたく、お前樣(まへさま)に姉樣(ねえさま)なれば我(わ)れには妹(いもと)の樣(やう)に思(おも)はれて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
只(たヾ)一寸(ちよつと)で宜(よ)し吾助(ごすけ)は一筆(ひとふで)にてもと言(い)ひたれば、此卷紙(このまきがみ)へ何(なに)か書(かき)て僕(ぼく)に賜(たま)はれ、吾助(ごすけ)は田舍(ゐなか)へ歸(かへ)りても行(ゆ)く處(ところ)の無(な)き身(み)なれば、大方(おほかた)は乞食(こじき)に成(な)るべきにや、夫(それ)れでは僕(ぼく)どうしても嫌(い)やなり
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)