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こうき
ふりがな文庫
“
口気
(
こうき
)” の例文
旧字:
口氣
ようやくのこと人びとの
口気
(
こうき
)
できょうの
土曜日
(
どようび
)
というに気づいた。糟谷はいまがいままできょうの土曜日ということを
忘
(
わす
)
れておったのだ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
主人は不満な
口気
(
こうき
)
で「第一気に喰わん顔だ」と
悪
(
にく
)
らしそうに云うと、迷亭はすぐ引きうけて「鼻が顔の中央に陣取って
乙
(
おつ
)
に構えているなあ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
中川がかくまで人に重んぜらるるを見て最前の若紳士
忽
(
たちま
)
ち
癪
(
しゃく
)
に触りけん「オイ中川君」と何か挑むような
口気
(
こうき
)
にて呼かけたり。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
念の為にもう一度繰り返せば、志賀直哉氏はこの人生を清潔に生きてゐる作家である。それは同氏の作品の中にある道徳的
口気
(
こうき
)
にも
窺
(
うかが
)
はれるであらう。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かくて妾は
宛然
(
さながら
)
甘酒に酔いたる如くに興奮し、結ばれがちの精神も引き立ちて、互いに尊敬の念も起り、時には
氤氳
(
いんうん
)
たる
口気
(
こうき
)
に接して
自
(
おの
)
ずから
野鄙
(
やひ
)
の情も
失
(
う
)
せ
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
▼ もっと見る
丁度さう云ふ問題を考へてゐた所であつたかと思はれるやうな
口気
(
こうき
)
である。
死
(新字旧仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
この時まで前の若紳士は中川の言葉に何か
隙
(
すき
)
あれかしと
窺
(
うかが
)
いおりしが
俄
(
にわか
)
に進み
出
(
い
)
でてさも
嘲弄
(
ちょうろう
)
する
如
(
ごと
)
き
口気
(
こうき
)
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
宗俊は、斉広が
飜弄
(
ほんろう
)
するとでも思ったのであろう。丁寧な語の
中
(
うち
)
に、鋭い
口気
(
こうき
)
を籠めてこう云った。
煙管
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
健三は迷惑を省いてやるから金を出せといった風な相手の
口気
(
こうき
)
を快よく思わなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところがどてらの方では全然こっちの責任でだいぶやってるような
口気
(
こうき
)
であった。だから自分は何だかどてらに対して弁解して見たい気がしたが、弁解する言葉がちょっと出て来なかった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを一部の社会では神聖な恋愛だとか人情の自然だとか、大層
褒
(
ほ
)
め
囃
(
はや
)
して奨励するような
口気
(
こうき
)
がある。実に
沙汰
(
さた
)
の限りだね。人間は誰でも自分の
分限
(
ぶんげん
)
を守って心の
規
(
のり
)
を超えないのが美徳だ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そうしてその有望な前途を、安之助がすでに手の
中
(
うち
)
に握ったかのごとき
口気
(
こうき
)
であった。かつその多望な安之助の未来のなかには、同じく多望な自分の影が、含まれているように、眼を輝やかした。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と妙に人を
嘲弄
(
ちょうろう
)
するような
口気
(
こうき
)
あり。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
先生の
口気
(
こうき
)
は珍しく苦々しかった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“口気”の意味
《名詞》
口 気(こうき)
口から出る息。
ものの言い方。
(出典:Wiktionary)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“口”で始まる語句
口惜
口
口吻
口説
口髭
口籠
口許
口上
口調
口々