卓子たくし)” の例文
「あゝ、はらがへつた!」MMえんじをはるとかたへの卓子たくしうえから、ビスケツトかなにかをつまんでくちほうりこんだ。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
で、そこはまた拔目ぬけめのない所謂いはゆる政商せいしやうなどは莫大ばくだいもないかねけてちやう卓子たくしかこむ。そして、わざとける。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
あるいはまた一晩中、秦淮しんわいあたりの酒家しゅか卓子たくしに、酒を飲み明かすことなぞもある。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
物をあつらえるにも人にさきんじようとして大声を揚げ、卓子たくしを叩き、杖で床を突いて、給仕人を呼ぶ。中にはそれさえ待ち切れず立って料理場をのぞき、直接料理人に命令するものもある。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
同じ麻雀マアジヤンでもそれぞれの國民性こくみんせいしたがつてあそかたなりたのしみかたなりが自然しぜんちがつてくるのはあたまへはなしで、卓子たくしうへきれいて牌音ぱいおんやはらげるといふやうな工夫くふう如何いかにも神經質しんけいしつ日本人にほんじんらしさだが
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)