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刻込
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きざみこ
ふりがな文庫
“
刻込
(
きざみこ
)” の例文
その
額
(
ひたい
)
には、この世のものとも思われぬ、激しい苦悩のたて
皺
(
じわ
)
が
刻込
(
きざみこ
)
まれ、強いて
怺
(
こら
)
える息使いと一緒に、眼尻から
顳顬
(
こめかみ
)
にかけての薄い皮膚がぴくぴくと
顫
(
ふる
)
え
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
母
(
はゝ
)
は、
父
(
ちゝ
)
が、
其
(
そ
)
の
木像
(
もくざう
)
の
胴
(
どう
)
を
挫折
(
ひしを
)
つた——
其
(
それ
)
が
又
(
また
)
脆
(
もろ
)
く
折
(
を
)
れた——のを
突然
(
いきなり
)
頭
(
あたま
)
から
暖炉
(
ストーブ
)
へ
突込
(
つゝこ
)
んだのを
見
(
み
)
たが、
折口
(
をれくち
)
に
偶
(
ふ
)
と
目
(
め
)
が
着
(
つ
)
くと、
内臓
(
ないざう
)
がすつかり
刻込
(
きざみこ
)
んであつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ああ、その顔は、いつもの皮肉な
皺
(
しわ
)
が深々と
刻込
(
きざみこ
)
まれ、悪鬼のように
歪
(
ゆが
)
んでいた。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
幹事雑貨店主の
冴
(
さ
)
えた声が、キヤキヤと
刻込
(
きざみこ
)
んで、響いて聞えて、声を聞く内だけ、その鼻の
隆
(
たか
)
い、
痩
(
や
)
せて
面長
(
おもなが
)
なのが薄ら
蒼
(
あお
)
く、頬のげっそりと影の黒いのが、ぶよぶよとした
出処
(
でどこ
)
の定かならぬ
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
而
(
しか
)
もポンコツの苦しみというよりも其の首だけ
仮面
(
マスク
)
のような顔には何を見たのかゾッとするような恐怖の色が
刻込
(
きざみこ
)
まれているのでした。とその時私はいやあなものを見てしまったのです。
穴
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“刻”で始まる語句
刻
刻限
刻々
刻煙草
刻薄
刻下
刻一刻
刻苦
刻足
刻参