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円々
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まるまる
ふりがな文庫
“
円々
(
まるまる
)” の例文
つい二、三年前までは、あんなに
円々
(
まるまる
)
と肥って紅にかがやき、求婚者の噂をしたり、つまらぬことにも笑い転げたりしたのに。……
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
発達した四肢、脂肪づいた体——乳房などは恐ろしく大きいのであろう、帯の上が
円々
(
まるまる
)
と膨らんでいて、つい手を触れたくなりそうである。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
円々
(
まるまる
)
と肥えた顔に細い目が
開
(
あ
)
いてゐるので、いつも
膃肭臍
(
おつとせい
)
のやうだとばかし思つてゐたが、今見ると何とかいつた芝
辺
(
へん
)
の女医者によく
肖
(
に
)
てゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その顔は病人らしく
蒼白
(
あおじろ
)
いが、思ったよりも肥えて頬などが
円々
(
まるまる
)
としている。近いころ髪を洗ったと思われて、ぱさぱさした髪を束ねて
櫛巻
(
くしまき
)
にしている。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
片肱を
白襯衣
(
しろしゃつ
)
の肩へ掛けて、
円々
(
まるまる
)
しい
頤
(
あご
)
を頬杖で
凭
(
もた
)
せかけて、何と、危く乳首だけ両方へかくれた、一面に
寛
(
はだ
)
けた胸をずうずうと
揺
(
ゆす
)
って、(おお、
辛度
(
しんど
)
。)と
故
(
わざ
)
とらしい京弁で甘ったれて
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
何かに紛れてランプ配りが
晩
(
おそ
)
くなった時などは、もう夕闇が隅々へ行渡って薄暗くなった此の部屋の中に、机に
茫然
(
ぼんやり
)
頬杖を
杖
(
つ
)
いてる雪江さんの眼鼻の定かならぬ顔が、唯
円々
(
まるまる
)
と
微白
(
ほのじろ
)
く見える。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
十六、七歳かと思ったら、どうやら二十歳を二つ三つ越しているらしく、疲れている色はあったが、頸のあたりなどは脂ぎって
円々
(
まるまる
)
していた。——女は続いて、立派な毛皮の外套の釦を外そうとした。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
赤ン坊は抱かれながら
円々
(
まるまる
)
と肥った顔をニコニコさせていた。
愛の為めに
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
円々
(
まるまる
)
としたよい月夜で家々の屋根も往来も、霜が降りたように蒼白い。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
杖
(
ステッキ
)
の
柄
(
え
)
で
掻寄
(
かきよ
)
せようとするが、
辷
(
すべ
)
る。——がさがさと
遣
(
や
)
っていると、目の下の
枝折戸
(
しおりど
)
から——こんな
処
(
ところ
)
に出入口があったかと思う——
葎戸
(
むぐらど
)
の扉を明けて、
円々
(
まるまる
)
と肥った、でっぷり
漢
(
もの
)
が
仰向
(
あおむ
)
いて出た。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
円
常用漢字
小1
部首:⼌
4画
々
3画
“円”で始まる語句
円
円髷
円座
円柱
円顔
円形
円朝
円味
円屋根
円卓