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内陣
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ないじん
ふりがな文庫
“
内陣
(
ないじん
)” の例文
と渋沢は、薬師如来の
内陣
(
ないじん
)
が見える本堂の
隅柱
(
すみばしら
)
に
倚
(
よ
)
りかかった。春さきの
陽
(
ひ
)
が、露八の背と渋沢の横顔へ、波紋のように明るく
射
(
さ
)
した。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三十分の
後
(
のち
)
、彼は
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の
内陣
(
ないじん
)
に、
泥烏須
(
デウス
)
へ祈祷を捧げていた。そこにはただ
円天井
(
まるてんじょう
)
から吊るされたランプがあるだけだった。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
内陣
(
ないじん
)
には、
祭壇
(
さいだん
)
や、金ピカの
十字架
(
じゅうじか
)
が、立っていたことでしょう。そしてそこには、金の
衣
(
ころも
)
をまとった
僧侶
(
そうりょ
)
たちが、歩いていたことでしょう。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
細い
溝
(
どぶ
)
にかかった石橋を前にして、「
内陣
(
ないじん
)
、
新吉原講
(
しんよしわらこう
)
」と
金字
(
きんじ
)
で書いた鉄門をはいると、
真直
(
まっすぐ
)
な敷石道の左右に並ぶ
休茶屋
(
やすみぢゃや
)
の
暖簾
(
のれん
)
と、奉納の手拭が目覚めるばかり
連続
(
つなが
)
って
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
最後に「日本の聖母の寺」その
内陣
(
ないじん
)
のおん母マリア。
穂麦
(
ほむぎ
)
に
交
(
ま
)
じつた
矢車
(
やぐるま
)
の花。光のない真昼の
蝋燭
(
らふそく
)
の火。窓の外には遠いサント・モンタニ。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
本堂
内陣
(
ないじん
)
横の橋廊下をこえ、さらに大廊下に従って、
墨絵
(
すみえ
)
の
間
(
ま
)
、
金碧
(
こんぺき
)
の
間
(
ま
)
、何の間と、幾つも数えて行かなければ、彼の声は洩れ聞えて来ない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこでこの
伴天連
(
ばてれん
)
は、
輿
(
こし
)
の側へ近づくと、
忽
(
たちまち
)
尊い
十字架
(
くるす
)
の力によつて難なく悪魔を捕へてしまつた。さうしてそれを南蛮寺の
内陣
(
ないじん
)
へ、襟がみをつかみながらつれて来た。
悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その一部は帝の配所として改修されてはあるものの、雨の日などは、元の
金堂
(
こんどう
)
の
内陣
(
ないじん
)
も、雨漏りの音が不気味にひびいて、廊は傘をささねばあるけないばかりであった。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、彼の手は不思議にも、
万力
(
まんりき
)
か何かに
挟
(
はさ
)
まれたように、
一寸
(
いっすん
)
とは自由に動かなかった。その内にだんだん
内陣
(
ないじん
)
の中には、
榾火
(
ほたび
)
の
明
(
あか
)
りに似た
赤光
(
しゃっこう
)
が、どこからとも知れず流れ出した。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、内蔵助は
内陣
(
ないじん
)
の脇の部屋から山門の方へ眼をやった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、あたりを見廻すと、
人音
(
ひとおと
)
も聞えない
内陣
(
ないじん
)
には、
円天井
(
まるてんじょう
)
のランプの光が、さっきの通り
朦朧
(
もうろう
)
と
壁画
(
へきが
)
を照らしているばかりだった。オルガンティノは
呻
(
うめ
)
き呻き、そろそろ祭壇の
後
(
うしろ
)
を離れた。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“内陣”の意味
《名詞》
内陣(ないじん)
寺院で本尊を安置する場所。
神社で神体を安置する場所。。
(出典:Wiktionary)
“内陣”の解説
内陣(ないじん)は、
寺院の本堂内部において本尊を、神社の本殿内部において神体を安置する場所。外陣(げじん)と対置される。
上の語をキリスト教の教会建築におけるbema, chancelの訳語として用いたもの。
(出典:Wikipedia)
内
常用漢字
小2
部首:⼌
4画
陣
常用漢字
中学
部首:⾩
10画
“内陣”で始まる語句
内陣脇
内陣裡