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偉
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え
ふりがな文庫
“
偉
(
え
)” の例文
僕は一陣の風の中に餌ものを嗅ぎつけた猟犬のやうに、かすかな戦慄の伝はるのを感じた。——と云ふと
偉
(
え
)
らさうに聞えるかも知れない。
金春会の「隅田川」
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
燈台から燈台へ港から港へと
辛
(
かろう
)
じて渡りつつあるのだ。
何時
(
いつ
)
暗礁に乗上げて鯨に食べられてしまうかも知れないのである。全く
偉
(
え
)
らそうな事はいえないものだ。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
まことにこの森林の子、ゲルマン族の
偉
(
え
)
らさは、
敗
(
ま
)
けて敗けず、むしろ焦土から倍旧の美しい、化学や芸術の花を咲かせて、敵国に復讐し、己れ甦生する所にある。
独逸の範とすべき点
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
吾人
(
われわれ
)
は、いくらか名前を知られ、人の尊敬を
贏
(
か
)
ち
得
(
う
)
るようになると、
忽
(
たちま
)
ちもう
偉
(
え
)
らくなったような気がして、心が
弛
(
ゆる
)
み、
折角
(
せっかく
)
青年時代に守り本尊としていた理想を
ソクラテス
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
もしも私が日蓮ほどの
偉
(
え
)
ら
物
(
ぶつ
)
であったなら、きっと私は草木を本尊とする宗教を樹立して見せることが出来ると思っている。私は今草木を無駄に枯らすことをようしなくなった。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
「道理でわしも変なことだとは思っていたんだ。今の世の中にそんな幽霊なんていう
莫迦
(
ばか
)
らしいことがあるもんでねえとは思っていたんだが、どうもあんまり騒ぎの方が
偉
(
え
)
れえもので……」
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
恐ろしい君子があつたもんだ、
芸妓買
(
げいしやかひ
)
を
行
(
や
)
つて、自由廃業をさせて、借金を踏み倒ほさして、
自宅
(
うち
)
へ引きずり込んで、其れで道徳堅固な君子と言ふんだ、成程
耶蘇教
(
ヤソけう
)
と云ふものは
偉
(
え
)
らいもんだ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「お母さん嘘で、実枝は勉強して、
偉
(
え
)
ろなって戻ってくるで」
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
そんなお
偉
(
え
)
らがたを呼び寄せる力が無えってわけなんだ。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「爺さん、
偉
(
え
)
れえ」と、幸次郎は
啄
(
くち
)
を
容
(
い
)
れた。
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
偉
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
“偉”を含む語句
偉大
魁偉
偉丈夫
容貌魁偉
偉物
雄偉
偉業
瑰偉
偉過
海内偉帖
偉力
偉人
偉躯
偉観
偉者
偉方
偉材
薛偉
偉功
偉麗
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