仰向あをむけ)” の例文
はなすと、いことに、あたり近所きんじよの、我朝わがてう※樣あねさま仰向あをむけ抱込だきこんで、ひつくりかへりさうであぶないから、不氣味ぶきみらしくもからはおとさず……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其時そのときはこの時雨榎しぐれえのきえだ両股ふたまたになつてるところに、仰向あをむけ寝転ねころんでて、からすあしつかまへた、それからふごれてある、あのしめぢたけつた、沙魚はぜをぶちまけて、散々さんざ悪巫山戯わるふざけをした揚句あげく
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まくらならべ、仰向あをむけになり、むねうへ片手かたてちからなく、片手かたて投出なげだし、あしをのばして、くちむすんだかほは、片影かたかげになつて、一人ひとりすや/\とるのを、……一目ひとめると、それ自分じぶんであつたので
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)