-
トップ
>
-
二枚袷
読み方 | 割合 |
にまいあはせ | 66.7% |
にまいあわせ | 33.3% |
可憐き束髪の
頸元深く、
黄蘖染の
半衿に
紋御召の
二枚袷を重ねたる
衣紋の
綾先づ謂はんやう無く、
肩状優う
内俯したる
脊に
金茶地の
東綴の帯高く、
勝色裏の
敷乱れつつ
最も
神樂坂を
歩行くのは、
細君の
身に
取つて、
些とも
樂みなことはなかつた。
既に
日の
内におさんを
連れて、
其の
折は、
二枚袷に
長襦袢、
小紋縮緬三ツ
紋の
羽織で、
白足袋。
鼠縮緬の
裾廻、
二枚袷の下着と
覚しく、
薄兼房よろけ
縞のお
召縮緬、
胴抜は絞つたやうな緋の竜巻、
霜に夕日の色
染めたる、
胴裏の
紅冷く
飜つて、引けば切れさうに
振が
開いて