中垣なかがき)” の例文
恋しと思う父は今遠く遼東にあり。継母は近く東京にあれど、中垣なかがきの隔て昔のままに、ともすれば聞きづらきことも耳に入る。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
へだては中垣なかがき建仁寺けんにんじにゆづりてくみかはす庭井にはゐみづまじはりのそこきよくふか軒端のきば梅一木うめひとき両家りやうけはる
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くしじようさまにもぞおよろこ我身わがみとても其通そのとほりなり御返事おへんじ屹度きつとまちますとえば點頭うなづきながら立出たちいづまはゑんのきばのたちばなそでにかをりて何時いつしつき中垣なかがきのほとりふきのぼる若竹わかたけ葉風はかぜさら/\としてはつほとゝぎすまつべきなりとやを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)