トップ
>
世間体
>
せけんてい
ふりがな文庫
“
世間体
(
せけんてい
)” の例文
旧字:
世間體
大学は
世間体
(
せけんてい
)
最高学府といふ事にはなつてゐるが、誰一人この女中程上品な口を利かなかつたし、それに揃ひも揃つてお
喋舌
(
しやべり
)
が過ぎた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
竜之助の剣術ぶりは、
形
(
かた
)
の如く
悪辣
(
あくらつ
)
で、文之丞が門弟への扱いぶりは
柔
(
やわら
)
かい、その
世間体
(
せけんてい
)
の評判は、竜之助よりずっとよろしい。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
証文通り日本橋の欄干を逆立ちをして渡ると聴いて、——そんな無理なことをして、
世間体
(
せけんてい
)
も恥かしいし、万一の間違いがあってはいけない。
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところがこっちには
世間体
(
せけんてい
)
があり、向うにゃそんなものがまるでないんだから、いざとなると
敵
(
かな
)
いっこないんだ。解ったかね
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世間体
(
せけんてい
)
の武士道……人間のまごころを知らぬ武士道……鳥獣の争いをそのままの武士道……功名手柄一点張りの、あやまった武士道であったぞ。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
世間体
(
せけんてい
)
から見て君がいわねばならないことではなく、君のいいたいことをいえ。どんな真実でも見せかけよりはまさる。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
オットーはクリストフの独立
不覊
(
ふき
)
を以前ほど面白く思わなかった。クリストフは散歩中厄介な道連れだった。彼は少しも
世間体
(
せけんてい
)
をはばからなかった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
自分へことさら好意を持たない弘徽殿の女御の一族に恋人を求めようと働きかけることは
世間体
(
せけんてい
)
のよろしくないことであろうとも
躊躇
(
ちゅうちょ
)
されて、
煩悶
(
はんもん
)
を重ねているばかりであった。
源氏物語:08 花宴
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
納屋
(
なや
)
で稲を
扱
(
こ
)
いでいたのであったが、父親が、おもんが
制
(
と
)
めるのを
肯
(
き
)
かずに出て行ったらしい気配なので、
世間体
(
せけんてい
)
などを考え、どうしても引き止めなければならないと思って庭へ出て来た。
山茶花
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
先づ世間の眼からは賢夫人とも呼ばるべき
令閨
(
さいくん
)
との間は、世間の眼には如何でもなく、
寧
(
むし
)
ろ
世間体
(
せけんてい
)
は至極平和な家庭であるが、此の令閨が理想に勝つてゐる丈け其れ丈け
那処
(
どこ
)
か情愛が欠けてゐるので
未亡人と人道問題
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「気をつけて下さい。
世間体
(
せけんてい
)
があります」
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
(
固
(
もと
)
より
世間体
(
せけんてい
)
の上だけで助かったのですが、その世間体がこの場合、私にとっては非常な重大事件に見えたのです。)
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
手前共の店に居ります娘たちの
中
(
うち
)
で一番お嬢様によく
肖
(
に
)
ておりますツル子と申します女優の落第生を、山木さんの処へ換え玉に入れて
世間体
(
せけんてい
)
をつくろいまして
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もっとも逆上は気違の
異名
(
いみょう
)
で、気違にならないと
家業
(
かぎょう
)
が立ち行かんとあっては
世間体
(
せけんてい
)
が悪いから、彼等の仲間では逆上を呼ぶに逆上の名をもってしない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼には
世間体
(
せけんてい
)
の好いばかりでなく、実際ためになる親類があって、いくらでも出世の世話をしてやろうというのに、彼は何だかだと手前勝手ばかり並べて
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なにくれるものなら、催促して
貰
(
もら
)
ったって、構わないんだが——ただ
世間体
(
せけんてい
)
がわるいからね。いくらあの人が学者でもこっちからそうは切り出し
悪
(
にく
)
いよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが
世間体
(
せけんてい
)
の好い
御世辞
(
おせじ
)
と違って、引き留められているうちに、上っては迷惑だろうという遠慮がいつの間にか
失
(
な
)
くなって、つい気の毒だから少し話して行こうという気になるのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“世間”で始まる語句
世間
世間並
世間話
世間咄
世間摺
世間眼
世間的
世間態
世間見
世間門