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与太
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よた
ふりがな文庫
“
与太
(
よた
)” の例文
旧字:
與太
「そんなことがわかるもんか。吉兵衛の口だけできめてかかれるもンじゃねえ。強がって
与太
(
よた
)
っぱちを言ったのかも知れねえからの」
顎十郎捕物帳:18 永代経
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
には
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
で
与太
(
よた
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
があるし、それから
私服
(
しふく
)
がうるさく
徘徊
(
うろつ
)
いてゝね、とう/\
松屋
(
まつや
)
の
横
(
よこ
)
で三
人
(
にん
)
も
挙
(
あ
)
げられたつて
云
(
い
)
ふはなしなんだよ。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
いつも、
与太
(
よた
)
ばかり云っているから、今日も、それかと思うだろうが、実あ
先刻
(
さっき
)
、湯宿の二階から、いきなり名を
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
与太
(
よた
)
でナンセンスでいたずらっ児の彼は、ここでも本性を発揮して、明かさないことにきめてしまった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
翻訳の
稽古
(
けいこ
)
でもしていたら、今ごろはこうしたことにもならずにすんだものを、創作なぞと
柄
(
がら
)
にもないことを空想して
与太
(
よた
)
をやってきたのが間違いだったかしれん。
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
▼ もっと見る
父の仕事はしかし、相も変らぬ
与太
(
よた
)
仕事で、何でも
質
(
たち
)
のわるい
恐喝
(
きょうかつ
)
新聞の記者であるらしかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
捏造
(
ねつぞう
)
記事か
与太
(
よた
)
記事かを見分けるためには、猫の眼玉みたいに変化する世界列強のペテンのかけ合いから、インチキとヨタでゴッタ返す政局の裏表、
瓢箪鯰
(
ひょうたんなまず
)
の財界の趨勢
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
嘘と云つては失礼だが、例の「噂」であるか、「作り話」であるか、「
与太
(
よた
)
」であるか、そこがどうもはつきりしない。それを真面目に論評などして、
物嗤
(
ものわらひ
)
になるのもいまいましい。
演芸欄 其他
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
加之
(
おまけ
)
に、子供は多勢で、
与太
(
よた
)
(頑愚)なものばかり揃つて居て——
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
裸体で勝手な
恰好
(
かっこう
)
をするだけの、
与太
(
よた
)
なものだった。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
撮影所で
与太
(
よた
)
ってるんだよ。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
「何うだね?
与太
(
よた
)
息子は」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その声に、智深はつい気合いを
外
(
はず
)
してしまい、しんとしていた
与太
(
よた
)
もンたちの群れへ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
晁蓋の
生返辞
(
なまへんじ
)
が気にくわないのだ。「ははアん。俺をただの
与太
(
よた
)
もンと見て、相棒には不足と考えたに違いねえ」そう思うと、酒が
業腹
(
ごうはら
)
を
焚
(
た
)
きつけて、我慢がならなくなってきた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あのおとなしい兄さんだ。まさか街の
与太
(
よた
)
もンと喧嘩したわけでもあるまいが」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
与
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
“与太”で始まる語句
与太者
与太郎
与太公
与太坊
与太話
与太息子