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上汐
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あげしお
ふりがな文庫
“
上汐
(
あげしお
)” の例文
自分は今日になっても大川の流のどの
辺
(
へん
)
が最も浅くどの辺が最も深く、そして
上汐
(
あげしお
)
下汐
(
ひきしお
)
の潮流がどの辺において最も急激であるかを
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
白足袋でない鼠足袋というのを
穿
(
は
)
き、
上汐
(
あげしお
)
の河流れを救って来たような
日和下駄
(
ひよりげた
)
で小包を
提
(
さ
)
げ、黒の山岡頭巾を被って居ります。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
むこうは
水神
(
すいじん
)
の森。波止めの杭に柳がなびき、ちょうど
上汐
(
あげしお
)
で、川風にうっすら潮の
香
(
か
)
がまじる。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
が、折から
淡
(
うっす
)
りと、入江の
出岬
(
でさき
)
から覗いて来る
上汐
(
あげしお
)
に勇気づいて、土地で一番景色のいい、名所の丘だと云うのを、女中に教わって、三人で出掛けました。もう土橋の下まで汐が来ました。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折からの
上汐
(
あげしお
)
、あぶ、あっぷとやる利助を尻目に
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
宵の
上汐
(
あげしお
)
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
狭い堀割へと渦巻くように差込んで来る
上汐
(
あげしお
)
の流れに乗じて、或時は道の砂をも吹上げはせぬかと思うほどつよく欄干の簾を
動
(
うごか
)
し始める。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
迚
(
とて
)
も此処じゃア
死
(
しね
)
ねえから吾妻橋から飛込むから、今は
退潮
(
ひきしお
)
か
上汐
(
あげしお
)
か知らないが、潮に逆らっても吾妻橋まで来て待ってくんな、勘忍してくんな、死におくれたから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
背高
(
せいたか
)
の、二尺ばかりの
立込下駄
(
たつこみげた
)
を穿いて、よほど沖に杖をついて釣っているのもあれば、腰まで入って
横曳釣
(
よこびきづり
)
をしているのもある。ちょうど
上汐
(
あげしお
)
の時期で、どの手許もいそがしそう。
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
こゝに
可笑
(
おかし
)
な事は、折から
上汐
(
あげしお
)
満々たる……
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
背中一面に一人は
菊慈童
(
きくじどう
)
、一人は
般若
(
はんにゃ
)
の面の
刺青
(
ほりもの
)
をした船頭が
纜
(
もやい
)
を解くと共にとんと
一突
(
ひとつき
)
桟橋
(
さんばし
)
から
舳
(
へさき
)
を突放すと、一同を乗せた屋根船は丁度今が
盛
(
さかり
)
の
上汐
(
あげしお
)
に送られ
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「出ますよ出ますよ」と呼びながら一向出発せずに豆腐屋のような鈴ばかり
鳴
(
なら
)
し立てている
櫓舟
(
ろぶね
)
に乗り、
石川島
(
いしかわじま
)
を向うに望んで
越前堀
(
えちぜんぼり
)
に添い、やがて、
引汐
(
ひきしお
)
上汐
(
あげしお
)
の波にゆられながら
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“上汐”の解説
上汐(うえしお)は、大阪府大阪市中央区および天王寺区の町名。現行行政地名は上汐一丁目から上汐六丁目。上汐一丁目および上汐二丁目が中央区、上汐三丁目から上汐六丁目が天王寺区に属する。区によって町名が分断されている大阪市の町としては、他に日本橋(1・2丁目が中央区、3~5丁目が浪速区)・万代(1丁目が阿倍野区、2~6丁目が住吉区)がある。
(出典:Wikipedia)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
汐
漢検準1級
部首:⽔
6画
“上”で始まる語句
上
上手
上下
上方
上海
上衣
上野
上総
上人
上﨟