三個みたり)” の例文
とげたりと不題こゝにまた忠兵衞はおみつ親子お金和吉をともなひて奉行所を下り主人方の親類呉服町の何某屋へ至り今番所の歸りにて箇樣々々かやう/\の始末なれば是なる三個みたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
幸にして大坂の事ありてより消息絶えて久しき蒼海も、獄を出でゝ近里にめば、書を飛ばして三個みたり同遊せんことをすゝむるに、来月まで待つべしとの来書なり。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
園をずればたけ高く肥えたる馬二頭立ちて、りガラス入りたる馬車に、三個みたり馬丁べっとう休らいたりき。
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
音羽町へやりたりしが此時すでに家主は殺され父子おやこ行衞ゆくゑしれぬとて長家はかなへわくが如く混雜こんざつなせば詮方せんかたなく立返へりつゝ云々と三個みたりに告て諸共もろともにお光の安否あんぴ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あくる朝連立つれだつて蒼海を其居村に訪ひ、三個みたり再び百草園もぐさゑんに遊びたることあれど、記行文書きて己れの遊興を得意顔に書き立つること平生好まぬところなれば、こゝにて筆をかくしぬ。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
後悔こうくわいの外には更にあらざりけり然ども大藤親子の者糊賣のりうり老婆ばうもお金まで彼方に在ては捨置難すておきがたしと三個みたりが衣類其の他をも此方より持せやり忠兵衞をして音羽町の二軒の家を終了せてすこし家財かざい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)