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一疋
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いつぴき
未練などがあることかは
我れ
男の
一疋ながら
虚弱の
身の
力及ばず
只にもあらで
病ひに
臥す
兩親にさへ
孝養
丘の所に大きな
猪が
一疋の可愛い坊やと一緒に
臥てゐました。おツ母さんは、坊やの
背を
叩きながら
引返して、
木戸口から
露地を
覗くと、
羽目と
羽目との
間に
成る。こゝには
一疋も
飛んで
居ない。
太郎は、エソップのなかの、
或時ライオンが
一疋の
鼠を
捕つたら
それと
遽に
心着けば、
天窓より爪先まで氷を浴ぶる心地して、歯の根も合はず
戦きつゝ、不気味に
堪へぬ顔を
擡げて、
手燭の影
幽に血の
足痕を
仰見る時しも、天井より糸を引きて
一疋の蜘蛛
垂下り