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やうくわん
いま
此のバラツク
建の
洋館に
對して——こゝに
見取圖がある。——
斷るまでもないが、
地續きだからといつて、
吉良邸のでは
決してない。
その
意味で、
狹い
路次の
奧にあつた、
木造の、あのささやかな
洋館は
日本麻雀道のためには
記念保存物たる
價値を
持つてゐるかも
知れない。
風鈴屋でも
通る
事か。——
振返つた
洋館をぐわさ/\とゆするが
如く、
貨物車が、
然も
二臺。
私をかばはうとした
同伴の
方が
水溜に
踏みこんだ。
銀行を
横にして、
片側は
燒け
原の
正面に、
野中の
一軒家の
如く、
長方形に
立つた
假普請の
洋館が
一棟、
軒へぶつつけがきの(
川)の
字が
大きく
見えた。