“むそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムソウ
語句割合
夢想42.4%
無双36.4%
夢窓9.1%
無想3.0%
無相3.0%
無窓3.0%
無雙3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あんな悲慘事ひさんじ自分じぶんむらおこつたことを夢想むそうすることも出來できず、翌朝よくあさ跡方あとかたもなくうしなはれたむらかへつて茫然自失ぼうせんじしつしたといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
が、えた動物ほど、忠勇無双むそうの兵卒の資格を具えているものはないはずである。彼等は皆あらしのように、逃げまわる鬼を追いまわした。犬はただ一噛ひとかみに鬼の若者を噛み殺した。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
師の名は疎石そせき夢窓むそうと号して、ねいさん会下えかに参じ、仏国禅師ぶっこくぜんじの法脈をつぎ、今や、五山第一のとなえもあるとか。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無想むそうの美があるからである。自然そのものの象徴があるからである。そうしてかかる美より深い美を吾々は他に期待することができない。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
なぜならその美しさを保障するものは名工の「自我じが」ではなく、自然の「大我だいが」だからである。「有想うそう」ではなく「無想むそう」だからである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ちょうど「空」といい「不」というも、それが一相いっそうではなく無相むそうを指すのと同じ意味である。ものの理解にはかかる「不」の基礎がなければならぬ。それ以上に深い根柢こんていはないからである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
その障子は、専門家の方では無窓むそうと称するもので、普通、紙をはるべき中央の部分が、こまかい縦の二重の格子になっていて、それが開閉出来るのだ——ハテ変なこともあるものだ。
D坂の殺人事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
肥後ひご菊池家きくちけ磯貝平太左衛門武行いそがいへいたざえもんたけゆきと云う武士があった。すこぶる豪勇無雙むそうさむらいであったが、主家の滅亡後、何を感じたのか仏門に入って、怪量かいりょうと名乗って諸国を遍歴した。
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)