夢窓むそう)” の例文
翌朝よくあさ目をさました時にも、夢のことははっきり覚えていた。淡窓たんそう広瀬淡窓ひろせたんそうの気だった。しかし旭窓きょくそうだの夢窓むそうだのと云うのは全然架空かくうの人物らしかった。
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
師の名は疎石そせき夢窓むそうと号して、ねいさん会下えかに参じ、仏国禅師ぶっこくぜんじの法脈をつぎ、今や、五山第一のとなえもあるとか。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「旭窓は淡窓たんそうの孫でしょう。淡窓の子は何と云いましたかしら?」先生は即座に「夢窓むそうだろう」と答えた。
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
このさいにおける英断には、玄以げんいに学んだ儒学じゅがくも、大燈だいとう夢窓むそうの両禅師からうけた禅の丹心も、その活機を見つけるところもない幾十日の昼の御座ぎょざよる御殿おとどのおん悩みらしかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)