無想むそう)” の例文
無想むそうの美があるからである。自然そのものの象徴があるからである。そうしてかかる美より深い美を吾々は他に期待することができない。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
なぜならその美しさを保障するものは名工の「自我じが」ではなく、自然の「大我だいが」だからである。「有想うそう」ではなく「無想むそう」だからである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
教えは「無心むしん」とか「無想むそう」とかの深さを説くが、美においてもまた同じである。無想の美に優る美はあり得ない。高き工藝の美は無心の美である。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)