“ほおかぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
頬冠56.4%
頬被43.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うすよごれた手拭で頬冠ほおかぶりをした、百姓ふうの男が一人、芝金杉のかっぱ河岸がしを、さっきからったり来たりしていた。
あすなろう (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
うしろからしのぶようにしていておとこは、そういいながらおもむろに頬冠ほおかぶりをとったが、それは春信はるのぶ弟子でしうちでも、かわものとおっている春重はるしげだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
もう一人、あわせ引解ひっときらしい、汚れたしま単衣ひとえものに、綟れの三尺で、頬被ほおかぶりした、ずんぐりふとった赤ら顔の兄哥あにいが一人、のっそり腕組をしてまじる……
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてはるかに遠く武蔵一国が我が脚下あしもとに開けているのを見ながら、蓬々ほうほうと吹くそらの風が頬被ほおかぶりした手拭に当るのを味った時は、おどあがり躍り上って悦んだ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)