-
トップ
>
-
べうぶ
千代ちやん
今日は
少し
快い
方かへと二
枚折の
屏風押し
明けて
枕もとへ
坐る
良之助に
乱だせし
姿恥かしく
起きかへらんとつく
手もいたく
痩せたり。
爐邊にある
古い
屏風の
側が
爺やの
夜なべをする
塲所ときまつて
居ました。
爺やはその
屏風の
側に
新しい
藁なぞを
置いて、
父さんのために
小さな
草履を
造つたり、
自分ではく
草鞋を
造つたりしました。
しくて
屏風の
外に二
足ばかり
糸より
細き
声に
良さんと
呼び
止められて
何ぞと
振り
返へれば。