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ばんたう
窺はするに茲は
召仕の
丁稚和吉
糊賣お金の
許へ至り
委細を
聞より大きに驚き
直立歸りて
管伴に
如此の由
話たりしに忠兵衞もまた
驚嘆し此事
主個夫婦を
見染て來たといふは此
上もなき
大幸なれば御苦勞ながら
管伴どの
明日にも先の
家へ行き身元正しき者ならば
婚儀を
不審みつゝ
伴ひ出また小西屋は何ごとやらんと
愕くよりして長左衞門病氣と稱して出もせず其代人は
管伴忠兵衞
丁稚和吉を
供に連れ奉行所へ出
腰掛へ和吉を
晩唐一代の
名家、
韓昌黎に、
一人の
猶子韓湘あり。
江淮より
迎へて
昌黎其の
館に
養ひぬ。
猶子年少うして
白皙、
容姿恰も
婦人の
如し。
然も
其の
行ひ
放逸にして、
聊も
學ぶことをせず。