“のみもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飲料44.0%
飲物16.0%
飮物12.0%
呑物8.0%
飮料8.0%
水漿4.0%
漿4.0%
4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少しく体を前へかがめると、飜筋斗もんどり打って転げちるであろう。う思うと、飲料のみものを用意していない彼はいよいかわきを覚えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
水脈みを坊水脈坊。お客様がゐていやかも知れんがおさへて呉れなくちや』と云つた。それから、『飲物のみもの食物たべものも皆さげてくれ。目のまへにあるとまらんから』
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
けれど、今の場合では、一滴の飮物のみものでも一ぺんのパンでも咽喉のどをつまらせるやうな氣持がしたので、私は兩方とも押しやつてしまつた。ヘレンは、多分びつくりして、私を見たのだらう。
晩飯の後で、母屋からここへ食物か呑物のみもの
「隨分ひどくなつたなあ……これを取代へたのは去年の春だつたか知ら? いや、一昨年だつたらうか?」かう思ひながら、目はその儘、手だけを靜かに飮料のみものの茶碗の方へ差延べる。
新しい歌の味ひ (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
腹を切ってから水漿のみものを断って五十七日の間気力が常の如くして痛むところなく、ついで往生をとげたということは信じ難い程不思議のことであった。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あれはげいという家のお媼さんですよ、自分で心にはじるから、私にやらしたのですわ、今は、もう郡城の漿のみものを売る家の児に生れてるのです」
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
さては此いへあるじこそは、土地に匹儔たぐひなき美人なりしなれ、疲れたる旅人二人に、一杯ひとつきのみものを惠み給はんやと云へば、いと易き程の御事なり、戸外に持ち出でてまゐらせん